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■ 優秀な人材が集まっても、会社が儲からない理由

IPOを目指して事業計画書を作成するときには、事業別に売上や利益を作成する。
その事業部ごとの組織を分けて、それぞれの担当取締役と部長を決める。
この事業部はセグメントと呼ばれ、有価証券報告書にも、セグメント別の営業利益まで計算して載せる。
そのため、セグメント別の売上から使った経費を1年間細かく集計していくことになる。

これを作成するためには、経理部の人たちに大変な労力と時間がかかる。
ではなぜ、ここまでしてセグメント別の情報が必要なのだろうか。

単純に、会計基準でセグメント別の資料を作成するように決められているからではない。
上場会社とIPOを目指している会社を合わせれば、世の中に何十万社もある。
この人たちに意味のない資料を作らせるはずがない。
これらの会社もセグメント情報の重要性が分かっているから文句を言わない。

昔はこのセグメント別の情報はほとんど重要視されていなかった。
日本の会社は、セグメント別よりも会社全体や個人の効率化を重要視していたからだ。

例えば、日本の製造業は、工場の中で個々人が効率よく、フル稼働すれば単純に儲かると思っていた。
でも、実際に個々人の能力を最大限に引き出すと、ほとんどの会社が儲かるどころか、赤字になったのだ。
能力がある社員をたくさん採用しても、優秀な社員になるように毎日、研修を行っても、会社としては儲からないということになる。

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