■ 公募と私募の違いは常識問題
上場会社にとっては、証券取引法(今年の夏に金融商品取引法に名前が変わる)は憲法と言える。
証券取引法(金融商品取引法)とは株式(法律用語では有価証券)の取り扱いを決めた法律。
これに、違反すると絶対にIPO(上場)できない。
100年の歴史のある東証一部の会社でも、証券市場から落とされる。
絶対に守らなければいけない法律。
ただ、この証券取引法(金融商品取引法)は、上場会社向けだけに決められているわけではない。
すべての会社が発行できる株式の取引を規制しているため、未公開会社にも当てはまるのだ。
この未公開会社が、一度でも証券取引法(金融商品取引法)に違反すれば、IPO(上場)はできない。
これで上場できない会社が意外と数が多いで、気をつけるべきだ。
監査法人や証券会社がまだ関与していない時期に、IPO(上場)支援が得意ではない会計事務所だけが顧問だったりすると起こる。
後で、証券会社に指摘されて知ったときには、もう遅い。
■ 上場基準は表と裏の2種類ある
上場基準には形式基準と実質基準の2種類がある。
どちらにも違反していない会社だけが、IPO(上場)できる。
では、1つではなく、わざわざ2つの基準を作っているのだろうか。
すでに漢字だけで、うすうす理解できるかもしれない。
答えは、誰もが読める紙に書かれた基準だけでは、それさえクリアすれば、どんな会社もIPO(上場)できてしまう。
証券市場でお金を集めて株主が増えれば、利害関係者が多いので簡単には上場廃止にはできない。
つまり、上場してから問題が発覚するのは困るのだ。
そのため、問題が多そうな会社がIPO(上場)するのを断る口実として、紙に書かない基準を作った。
では、具体的に、それぞれは、どのような基準なのだろうか。