■ IPOするとは株式を投資家に売ること
「会社が儲かって、監査法人と証券会社の言うことに従えば、勝手に上場できる」
と考えている社長がいる会社は、上場できない。
IPO(上場する)とは、結局は、自分の会社の株式を投資家に売ること。
これは、自分の会社の商品を売るのと同じ感覚だ。
証券会社の商品はこの株式になる。
つまり、売れない商品を証券会社は仕入れないし、売ることもない。
自分の会社の株式を仕入れもらうためには、その情報を自分で証券会社に売り込まなくてはいけない。
一方で、投資家も、なぜ儲かっているのかがわからない会社の株式は買わないだろう。
今だけしか、儲かっていないのかもしれない。
または、たまたま儲かっただけなのかもしれない。
買ったとたんに株価が暴落すれば、大損になる。
しかも、証券会社が売ろうとしている商品は何万種類もある。
株式だけではなく、国債もあるし、投資信託もある。
自分の会社の株式を投資家が買いたくなるような情報を、与えなくてはいけない。
では、どのような情報をつくるべきなのだろうか。
■ あなたが目指すべき売上と利益は
「IPO(上場)するためには、目標にする売上と利益をいくらにすればよいですか?」
という質問をよく受ける。
実際に証券市場を見ると、1億円の利益でIPO(上場)した会社もある。
10億円の売上でIPO(上場)できた会社もある。
ところが、一方で
「10億円の売上や1億円の利益では、IPO(上場)なんてできないと証券会社の担当に言われた。」
という話もよく聞く。
実際には、証券会社によって違うのだろうか。
実は、自分が目指すべき売上と利益は、自分で探すしかない。
会社ごとに目標が違うため、人は教えてくれないのだ。
では、どうやって探せばよいのだろうか。
■ IPO(上場)しなければ良かったと後悔しないために
IPO(上場)する前は、
「絶対にIPO(上場)したい」
「なんとしてでもIPO(上場)する」
と強い意志を持っている社長も多い。
実際に、強い熱意がなければIPO(上場)なんてできない。
何となくIPO(上場)できたなんていう社長は、絶対にいないのだ。
そのため、IPO(上場)するためには手段を選ばないことも多い。
これが、IPO(上場)してから、後悔する理由になる。