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■ 税金を余計に払ってまで、資本金を1億円超にすべきか考えよう

IPO(上場)を目指すと、資本金が一気に大きくなる。
事業を急激に拡大するためには、お金が必要となるからだ。
銀行からお金を借りるためにも、自己資本比率も重要な基準になる。
そのため、資本金を増やさざる得ない。

もともと、資本主義とは経営が上手い人がお金を集めて事業を行い、その利益を投資家に分配する制度。
その中で最も有名な制度が、株式会社。
この会社の資本金が大きいと言うことは、お金をたくさん集めた証拠。
資本金の金額を法務局にも登記するため、誰でもインターネットで閲覧できる。

もちろん、集めたお金は事業に投資する。
使わないで、寝かせておく会社はない。
そして、事業が拡大していくと、取引先、金融機関、株主など、関係者の数も一気に多くなる。
すると、社会的な責任が重くなったと考えられて、いろいろな法律で縛られることになる。取り扱いが変わってくる。

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■ IPOのためには節税が絶対に大事

IPO(上場)するために、できるだけ利益を増やそうと考える。
利益が大きくなれば、支払う税金も多くなる。
それを前提に、銀行もお金を貸してくれる。
そのお金を投資することで、さらに事業を拡大することができる。
拡大が成功すれば、利益もより大きくなる。
これに比例して多くの税金を支払い、さらにお金を借りて、最後にはIPO(上場)する。

この考え方は、正しいのだろうか。
確かに、ほとんどの部分で当たっている。
たった1つ、「利益に比例して、支払う税金も増える」という部分だけが間違っている。

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■ IPOの直前には必ず税務調査が入る

IPO(上場)の直前になると、税務署から電話がかかってくる。
「税務調査に入りたいんですが。」
「今、IPO(上場)の準備で忙しくて、調査をもう少し延期してくれませんか?」
と答えても、
「そちらの状況もよく分かっていますが、仕事ですからお願いします。」
と押し切られる。
これは、税務署の職員にも転勤や異動があるため、その中で調査を終わらせたいという気持ちがある。
少しなら延期できても、長期間の延期はできない。

調査が入る理由は簡単だ。
まず、資本政策によってIPO(上場)の直前期には資本金が大幅に増える。
役員も増員されて、監査役も交代する。
子会社や関連会社も整理される。
法務局から税務署にこのデータが送られるので、何かやっているなと感ずかれる。

次に、IPO(上場)の直前には資本金が大きくなることで、事業も急激に拡大する。
利益もできるだけ出して、税金もたくさん支払う。
投資家に儲かっているというアピールをする。
これは税務署に対しても、儲かっているというアピールにもなるのだ。

税務署としては、ちょっと見に行きたくなるのが心情だろう。

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